2025年12月、東京・赤坂の個室サウナで、利用中の男女が亡くなる火災事故が発生しました。
静かでプライベートな時間を過ごせる個室サウナは、近年多くの人に親しまれています。一方で、今回の事故は「個室」という空間だからこそ、改めて向き合うべき安全性の重要さを私たちに突きつけました。
東京プライベートサウナでは、この出来事を恐怖や不安を煽る形で伝えるのではなく、利用者として何を知り、どう選び、どう安心につなげていくかという視点で整理したいと考えています。
本記事では、事故の概要を簡潔に振り返りながら、個室サウナを安全に楽しむための考え方をまとめます。

東京・赤坂で起きた個室サウナ火災事故の概要
2025年12月、東京都港区赤坂にある個室サウナ施設で火災が発生しました。
施設内の一室で煙が発生し、消防によって救助活動が行われましたが、サウナを利用していた30代の男女が亡くなるという、非常に痛ましい結果となりました。
報道によると、火災が起きた個室サウナの室内には、焼けた痕跡が残っており、煙が充満していたとされています。発見時、2人はサウナ室の出入口付近で倒れていたことが確認されています。
問題として指摘されている設備面のポイント
今回の事故では、いくつかの設備面が注目されています。
ひとつは、サウナ室のドアノブが正常に機能していなかった点です。発見時、ドアノブは外れて床に落ちており、扉を開けようとしても操作できなかったのではないかという報道がなされています。
また、室内には非常用のボタンが設置されていたものの、外部への通報や救助につながらなかった可能性も指摘されています。
現時点では、出火原因や設備不具合の詳細については捜査中であり、断定的なことは言えませんが、「非常時に逃げる・知らせる」仕組みが十分に機能していたかどうかが大きな焦点となっています。
個室サウナという空間を、利用者目線で考える
個室サウナは、周囲を気にせず自分のペースで過ごせる点が大きな魅力です。
しかしその一方で、密閉された高温環境という特性上、万が一の際には外部から気づかれにくいという側面も持っています。
利用者は施設を信頼し、「安全であること」を前提にサウナを楽しんでいます。だからこそ、個室サウナでは通常のサウナ以上に、設備や運用面での安全配慮が重要になります。
施設側に求められる安全性とは何か
個室サウナにおいて、特に重要なのが出入口まわりの安全性です。
ドアは必ず内側から簡単に開けられる構造であること、ドアノブや取っ手が熱や経年劣化によって不具合を起こしにくい設計であることは、欠かせない条件です。
加えて、非常時に外部へ確実につながる通報手段や、スタッフが即座に異変に気づける体制も重要です。これらは「念のため」ではなく、個室サウナという業態においては当然備えるべき前提条件と言えるでしょう。
利用者としてできる「安心につながる視点」
私たち利用者側にも、できることがあります。
たとえば、利用前に以下の点をさりげなく確認するだけでも、安心感は大きく変わります。
・ドアの開閉がスムーズかどうか
・非常ボタンや注意表示が分かりやすい場所にあるか
・利用前にスタッフから説明や注意喚起があるか
内装の美しさやプライベート感だけでなく、安全への配慮が感じられるかどうかを施設選びの基準に加えることも大切です。
事故をきっかけに、より成熟した個室サウナ文化へ
今回の事故を受け、多くの個室サウナ施設では、安全点検や設備の見直しが進められています。
これは個室サウナそのものを否定する動きではなく、より安心して楽しめる文化へと成熟していくための過程だと考えられます。
サウナは本来、心と体を整えるための場所です。
その時間が「安心」に支えられてこそ、本当のリラックスが生まれます。