健康経営とサウナ活用──従業員の健康は企業価値を高める資産

前回は、経営者自身が限られた時間をどう管理し、サウナを活用することで集中力や意思決定の質を高められるかを解説しました。
今回のテーマは「健康経営」です。経営者個人にとどまらず、従業員の健康を企業の成長戦略に組み込む発想は、今や人的資本経営の柱となっています。その中でサウナをどう活用できるかを考えてみましょう。

健康経営とサウナ活用──従業員の健康は企業価値を高める資産

健康経営とは何か

健康経営とは、従業員の健康保持・増進を経営課題ととらえ、長期的な企業価値向上につなげる取り組みです。経済産業省は「健康経営銘柄」や「健康経営優良法人認定制度」を通じて企業の取り組みを後押ししています。
従業員が心身ともに健康であれば、生産性の向上・医療費の抑制・離職率の低下といった成果が期待できるため、投資家からの評価も高まる傾向があります。

なぜ今、健康経営が重要なのか

人材定着と採用力の強化
健康を大事にする企業は働きやすい環境とみなされ、若手人材の採用競争力も高まります。

生産性の向上
不調によるパフォーマンス低下(プレゼンティーズム)のコストは、欠勤コストよりも大きいとされます。

人的資本開示・ESG投資との関連
企業価値を測る指標として「従業員の健康データや取り組み内容」が投資家に注目されています。

サウナを健康経営に組み込む意義

サウナは従業員の健康投資において次のような効果を期待できます。

ストレスマネジメント
自律神経を整え、睡眠の質改善にもつながる。

メンタルヘルス対策
適度な発汗とリラックス効果が心身のリフレッシュを促す。

コミュニケーション促進
部署や役職を超えた交流の場として、チームビルディングの機会になる。

これらは単なる福利厚生を超えて、「生産性」「創造性」「離職率改善」といった経営上の成果と直結します。

導入の具体的な方法

法人契約によるサウナ利用
月額契約やチケット配布型で従業員が自由に利用可能にする。

ストレスチェック制度との連携
高ストレス判定を受けた従業員への選択肢としてサウナ利用を組み込む。

チームビルディング研修としての活用
プライベートサウナを貸し切り、少人数でのリフレッシュ兼ワークショップを実施。

留意点とリスク管理

公平性の確保
役員や一部の社員だけが利用していると福利厚生とは認められません。

健康状態への配慮
高血圧や心疾患を持つ従業員には別メニューを用意する必要があります。

経費計上の妥当性
利用記録や社内規程を整備し、業務関連性を説明できる状態を作ることが大切です。

まとめ|健康経営の未来とサウナの役割

健康経営は「コスト削減」ではなく「企業価値向上」のための投資です。従業員の健康を守ることは、生産性を上げ、離職を防ぎ、ブランド力を高めることにつながります。サウナは、その実現に役立つ有力なツールです。

経営者が自ら実践しつつ、従業員への仕組みとして導入することで、企業全体に好循環を生み出すことができます。前回の「時間管理」と合わせて考えれば、サウナは個人の集中力向上と組織の健康経営を両立させる“経営資源”として位置づけられるでしょう。