【2026年最新】取引先とのサウナは接待交際費になる?──“サウナ接待”の税務処理

取引先と食事へ行く。
ゴルフへ行く。
スポーツ観戦へ行く。

こうした接待に加えて、近年ではプライベートサウナを仕事上の交流に利用するケースも考えられるようになりました。

完全個室で人目を気にせず話せる。
数時間を一緒に過ごせる。
会食とは違うコミュニケーションができる。

高級プライベートサウナの中には、接待や法人利用を想定している施設もあります。
では、会社が取引先とのサウナ料金を支払った場合、その費用は経費になるのでしょうか。

結論からいえば、実際に取引先など事業関係者への接待として利用しているのであれば、交際費等として検討する余地があります。

ただし、「取引先と一緒だったから何でも交際費」というわけではありません。
今回は、いわゆる「サウナ接待」の税務処理について整理します。

※本記事は2026年11月時点の税制・国税庁公表資料をもとに一般的な考え方を整理したものです。交際費等の損金算入額は法人の資本金等によって異なります。実際の会計・税務処理については税理士等の専門家へご確認ください。

そもそも交際費とは何か

国税庁は「交際費等」について、法人が、

・得意先
・仕入先
・その他事業に関係する者

などに対する接待、供応、慰安、贈答などのために支出する費用としています。

つまり、交際費は「飲食代」に限定されたものではありません。
取引関係を維持・円滑化するための接待であれば、さまざまな支出が対象になり得ます。

したがって、取引先をプライベートサウナへ招待する、会社側が利用料金を負担する、事業上の関係維持や接待を目的としている、のであれば、サウナ料金も交際費等として検討することになります。

「サウナで商談したから会議費」にはならない

個室サウナなら、取引先と仕事の話をすることもあるでしょう。

そこで、サウナの中で商談をしたから会議費として処理できないかと考えるかもしれません。しかし、勘定科目は「何を話したか」だけで決まるものではありません。
取引先との親睦や関係維持、接待としてサウナへ招待したのであれば、その実態は交際費等に近くなります。

会食でも、「仕事の話をしたから会議費」になるわけではないのと同じです。サウナの料金を会社で処理するときも、その場で仕事の話をしたかではなく、なぜその場を用意したのかを見る必要があります。

友人でもあり取引先でもある場合は?

経営者同士では、友人、取引先、仕事仲間が重なっていることも珍しくありません。では、普段から仲の良い取引先と休日にサウナへ行き、会社が料金を払った場合はどうでしょうか。

ここでは、「その人が取引先である」という事実だけではなく、その支出が会社の事業上の接待だったことを説明できるかが重要になります。

例えば、

取引開始後の関係構築を目的として招待した。
重要な取引先との定期的な懇親として会社が主催した。
会社として料金を負担することが事前に決まっていた。

といった事実があれば、事業との関係を説明しやすくなります。

一方、

休日に友人として遊びに行った。
たまたまその友人が取引先の社長だった。
後から領収書を会社へ回した。

という場合まで、自動的に接待交際費になるわけではありません。

誰と行ったのかを記録しておく

交際費を考えるうえで、領収書だけでは分からない情報があります。
サウナ施設の領収書には、利用日、施設名、金額は記載されても、誰を接待したのか、どの会社の人なのか、何の目的だったのか、までは通常書かれていません。

そこで、社内記録として、

  • 利用日
  • サウナ施設名
  • 参加者
  • 相手先企業名
  • 相手との関係
  • 利用目的
  • 支払額

などを残しておくとよいでしょう。

数年後に領収書だけを見て、「この2万5,000円は誰とのサウナだったのか」となってから思い出すのは難しいものです。

これは会食の交際費管理と同じです。

「1人1万円以下なら交際費にならない」はサウナ代には使えない

交際費について、よく知られているのが、1人当たり1万円以下の飲食費に関するルールです。

2024年4月1日以後に支出する一定の飲食費については、参加者1人当たりの金額が1万円以下で、必要事項を記載した書類を保存している場合、交際費等の範囲から除外されます。

ここで重要なのは、「飲食等」の費用であることです。

例えば、取引先と2人で個室サウナを利用。料金は1万8,000円、1人当たり9,000円だったとしても、「1人1万円以下だから交際費から除外」とはなりません。

サウナ利用料金は、飲食費ではないからです。この1万円基準を、接待に使ったすべての支出へ広げて考えないよう注意が必要です。

サウナ後の食事はどうなる?

では、

サウナ 2万円
食事 1万6,000円
参加者2名

だった場合はどうでしょうか。

サウナ料金については、接待目的であれば交際費等として検討します。
一方、食事は1人8,000円です。この飲食費がサウナ料金と明確に分かれており、国税庁が求める参加者、相手先、人数、飲食店名などの必要事項を記録しているのであれば、飲食費部分について1万円基準の適用を検討できます。

つまり、同じ一日の接待でも、サウナと食事で税務上の扱いが分かれる可能性があります。
領収書も、サウナ施設と飲食店で別々なら整理しやすいでしょう。

「サウナ+食事セットプラン」は注意

少し難しくなるのが、個室サウナ90分+コース料理 1人15,000円のようなセットプランです。

料金の内訳が、サウナ5,000円、食事10,000円と明確に分かれているのであれば、それぞれの性質を検討しやすくなります。
一方、内訳のない一体料金を、利用者側で勝手に、「半分は食事代」として1万円基準へ当てはめるのは避けた方がよいでしょう。

飲食費の1万円基準を利用するのであれば、飲食部分の金額を合理的に確認できることが重要です。
セット料金の具体的な処理は契約・請求内容によって異なるため、判断が難しい場合は税理士等へ確認した方が安全です。

社員だけでサウナへ行ったら交際費?

会社の従業員だけでサウナへ行った場合は、考え方が変わります。

国税庁は、専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などに通常要する費用については、交際費等から除外しています。

したがって、

全社的な慰安行事としてサウナ施設を貸し切る。
社内レクリエーションとして利用する。

というケースでは、福利厚生費等として検討することになります。

一方、社長と一部役員だけ、特定の社員だけ、という利用を「社員慰安」として処理できるかは、参加対象や金額、目的などを見て判断する必要があります。

社員が参加していれば何でも福利厚生、というわけでもありません。

取引先と社員が一緒なら?

例えば、取引先2名と自社社員2名の計4名でサウナを利用したとします。
接待のために自社社員が同席しているのであれば、その社員分も含めて接待に必要な支出として交際費等を検討することになります。

「自社社員の分だけ福利厚生費」のように、人数だけで機械的に分けるものではありません。
誰が利用したかだけでなく、その支出全体が何のために行われたのかを見る必要があります。

家族や友人を「接待相手」にしない

当たり前のようですが、注意したい点です。
社長が、家族や個人的な友人、恋人などとサウナへ行った料金を会社が負担し、「接待交際費」として処理しても、その人との事業上の関係を説明できなければ、交際費として認められるとは限りません。

前回見たように、役員個人が負担すべき費用を会社が負担すれば、役員への経済的利益として扱われる可能性があります。

勘定科目を「交際費」に変更すれば私的利用が事業経費になるわけではありません。

交際費は「経費にできる・できない」の二択ではない

交際費についてはもう一つ、注意したい点があります。

税務上「交際費等」に該当することと、その全額を法人税上の損金に算入できることは別問題です。2026年時点では、資本金1億円以下など一定の法人について、交際費等の損金不算入額を計算する際、一定の交際費等について年間800万円までの定額控除限度額を利用する方法、または一定の接待飲食費について50%相当額を損金算入する方法などが設けられています。法人の資本金やグループ関係などによって扱いは異なります。

ここでも重要なのは、50%というルールは「接待飲食費」に関するものだという点です。

サウナ利用料金そのものが、飲食費として50%基準の対象になるわけではありません。中小法人でサウナ料金を交際費として処理する場合には、年間の交際費総額なども含めて考える必要があります。

サウナ接待で残しておきたい記録

実際にサウナを接待として利用するのであれば、少なくとも次の情報を残しておくと整理しやすくなります。

いつ

利用年月日。

どこで

施設名と所在地。

誰と

参加者名、会社名、役職など。

どんな関係か

得意先、仕入先、提携先など。

何のためか

関係構築、商談後の懇親、取引先接待など。

いくら

サウナ料金、食事代など。

誰が払ったか

自社が全額負担したのか、各社で分担したのか。

特にサウナは、飲食店ほど「接待利用」が一般的な支出ではないため、なぜ会社がその料金を負担したのかを説明できる状態にしておくことが大切です。

高級プライベートサウナと接待は相性がいい。しかし税務は別の話

完全個室のサウナは、

周囲を気にせず話せる。
複数人で時間を共有できる。
会食とは違う体験を提供できる。

という点で、ビジネス上の接待にも利用しやすい空間です。

施設側が法人利用や接待利用を案内しているケースもあります。

しかし、「接待に使える施設」と「税務上すべて経費になる」は同じ意味ではありません。

・利用実態
・相手との事業関係
・会社が負担する目的
・交際費の損金算入ルール

を分けて考える必要があります。

まとめ:サウナ接待も、判断基準は他の接待と同じ

サウナには「サウナ専用の交際費ルール」があるわけではありません。

取引先との関係維持や接待を目的として会社がサウナ料金を負担するのであれば、一般的な交際費等の考え方に沿って判断します。

重要なのは、

誰と行ったか。
その人は事業に関係する相手か。
何の目的で利用したか。
会社が負担する合理的な理由があるか。
その記録を残しているか。

です。

そして、もう一つ覚えておきたいのが、「1人1万円以下」の基準はサウナ料金には使えないということです。サウナと会食を組み合わせた接待なら、サウナ部分と飲食部分をそれぞれの性質に応じて整理します。

「会食の代わりにサウナ」という選択肢が増えても、税務の基本は変わりません。
経費として大切なのは、どこへ行ったかではなく、なぜ会社がその支出をしたのかを説明できることです。

次回は、法人ではなく個人事業主・フリーランスのサウナ代を取り上げます。
会社と本人が別人格である法人とは違い、個人事業主では仕事と私生活の境界がさらに重要になります。

「サウナで仕事のアイデアを考えている」
「フリーランスなので健康管理も仕事のうち」

という理由で経費にできるのでしょうか。

次回「【2026年最新】個人事業主・フリーランスのサウナ代は経費になる?」で詳しく整理します。